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【ネタバレ感想】映画『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』|思い出に変えて歩む、咲太たちの未来

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映画『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』を観てきました。

霧島透子の正体、別の可能性の世界、そして咲太が最後に選ぶ答え。これまでの物語がつながっていく展開に引き込まれました。

見届けられた満足感がある一方で、「これで青ブタも終わりなのか」と思うと、やっぱり寂しいです。

ただ、鑑賞後に来場者特典の冊子『青春ブタ野郎はティーガーデンの夢を見る』を読んで、ようやく明るい気持ちで終わりを受け止められました。

今回は映画で印象に残った場面と、特典まで読んで感じたことをまとめます。

※ここから先は映画の結末、および来場者特典小説のネタバレを含みます。未鑑賞・未読の方はご注意ください。

これまでの物語や、完結編へつながる伏線を振り返りたい方は、青ブタシリーズのおさらい記事もご覧ください。こちらは『サンタクロースの夢を見ない』までの内容をまとめています。

霧島透子の正体が、翔子の命につながる切なさ

今回、特に辛かったのは、翔子の命と透子の死がつながっていたことです。

歌手としての「霧島透子」の正体は美東美織。しかし、実在した透子は美織の親友であり、翔子の心臓のドナーとなった人物でした。

翔子が助かったことは、これまでの物語を見てきた自分にとっても嬉しい出来事です。それなのに、その背景には別の誰かを失った悲しみがある。

しかも、そのことに咲太も美織も責任を感じてしまうのが苦しいところでした。

命が助かった喜びと、大切な人を失った悲しみ。その両方があるからこそ、簡単に割り切れない話だったと思います。

翔子がいるだけで感じる、圧倒的な安心感

そんな最終章で、改めて好きになったのが牧之原翔子です。

相談相手としては双葉も頼りになりますが、翔子には登場するだけで「もう大丈夫かもしれない」と思わせてくれる安心感がありました。

世界の様子が変わり、自分の知っている現実が周囲に通じなくなっていく。その中で、事情をわかってくれる相手がいるだけで、咲太もどれほど救われるだろうと感じます。

もちろん、翔子が何でも解決してくれるわけではありません。それでも、咲太が一人で抱え込まずに済むという意味で、その存在はとても大きかったです。

自分の命に関わる辛い事実にも向き合う強さを含めて、今回の映画では翔子の魅力を改めて感じました。

鑑賞した日に映画館やほかのお店でグッズを見たところ、翔子の商品がほぼ売り切れていたのも印象的でした。入荷数はわからないので人気順位とは結びつけられませんが、映画を観て欲しくなった人もいるのでは、と考えてしまいました。

別の世界にも、大切な人を守りたい咲太がいる

終盤で怖さを感じたのは、思春期症候群の異変が解消しない原因が、咲太自身にもあると明かされるところです。

これまで乗り越えた現象や、別の可能性の世界の出来事が重なり、自分の知っている日常が確かではなくなっていく。不思議さ以上に、不安を感じる展開でした。

特に印象に残ったのが、ウサギの着ぐるみを着た別世界の咲太の話です。

こちらの世界にかえでがいることは、別の世界からかえでがいなくなっていることかもしれない。その世界の咲太なら、かえでを取り戻すためにこちらへ向かってきてもおかしくない。

そう考えると、確かに怖い話だと思いました。

『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』で、麻衣が自分の命を犠牲にして咲太を助けたことも思い出します。大切な人を守るためなら、どこまで行動できてしまうのか。その切実さを、これまでの物語で見てきたからです。

別世界の人たちにも、それぞれの人生と大切な存在がある。自分にとって都合のよい可能性だけを選べばいい、とは思えなくなる場面でした。

麻衣の「咲太と同じ景色をみていたい」が心に残った

今回の映画で、個人的にとても好きだったのが、麻衣の「咲太と同じ景色をみていたい」という言葉です。

咲太にとって思春期症候群は、苦しみの原因であると同時に、麻衣や翔子たちとの出会いにつながったものでもあります。

そこから離れることに、不安や寂しさがあるのもわかります。

だからこそ、麻衣の言葉には「これからも一緒に生きていきたい」という願いを感じました。咲太が前へ進んだ先にも麻衣がいる。そのことが、見ている自分にも救いになりました。

忘れるのではなく、思い出に変えるという成長

咲太が最後にたどり着いた答えは、思春期症候群を忘れるのではなく、思い出に変えることでした。

この答えに、咲太の成長を感じました。

苦しかった経験も、大切な人に救われた時間も、自分を作ってくれたものです。それらを大切にしたまま、今を生きていく。大人になることの大切さを感じる結末でした。

成長していたのは咲太だけではありません。

かえでが、自分の意思で元の世界の兄のもとへ帰りたいと望む場面も胸に残っています。咲太にとっては、もう一度会えた大切な妹です。それでも、かえで自身にも考えと選びたい未来がある。

守りたい相手の意思を受け止めることまで含めて、咲太たちが前へ進んでいると感じました。

教育実習生になった咲太と、美織への思い

ラストでは2年後が描かれ、咲太は教育実習生になっています。

思春期症候群を経験してきた咲太が、今度は生徒の話を聞く側へ進んでいる。その姿にも、これまでの経験が生きていると感じました。

一方、別の可能性の世界へ旅立った美織との再会は描かれません。

駅で美織に似た別人を見かけ、曲を聴く咲太。その終わり方には、美織が今もどこかにいると思える希望と、会えない寂しさが残りました。

物語は終わっても、登場人物たちの人生は続いていく。そんな余韻のあるラストだったと思います。

来場者特典で感じた、咲太と麻衣の明るい未来

映画の後に読んだ『青春ブタ野郎はティーガーデンの夢を見る』は、自分にとって大切な締めくくりになりました。

教育実習を控えた咲太が、麻衣と翔子と一緒にスーツを買いに行く。そして三人で透子のお墓参りへ向かう話です。

亡くなった透子を大切に思いながら、今を生きている三人が日常を過ごしている。その姿を見られたことが嬉しかったです。

そして最後には、両家の顔合わせの話まで出てきます。

きっかけは麻衣のお母さんが、咲太の両親に挨拶したいと考えたこと。まだ結婚の話ではないと説明するつもりなのに、咲太は少し先のことも考えている。その掛け合いが二人らしくて笑えました。

さらに、咲太の家族がそろって結婚の話だと受け取ってしまう締め方も、温かくて好きです。

映画で咲太の成長を見届け、特典でその先の明るい未来を感じられた。ここまで読んで、ようやく「青ブタが終わったんだな」と受け止められました。

終わってしまうのは寂しいですが、咲太と麻衣がこれからもこんな会話をしながら、一緒に歩んでいくのだと思える。最後にその安心感をもらえたことが、何より嬉しかったです。

もう少し青ブタの世界に浸りたい方には、短編集も。『ドクターピッグの夢を見ない+』では、別の可能性の世界の咲太を描いた物語が収録されています。

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